極彩色のクオーレ
リシャーナから少し遠い山国に伝わるドラゴンの伝説。
万病に効く、赤く光るドラゴンの鱗を探しに行った少女が、棲家があると噂される高山へ赴き、その暗い洞窟で何かを見つけたところまで語ったところで、ラリマーは口を閉ざした。
観衆は息をのみ、話の先を待つ。
するとそこに、夕刻を告げる鐘が響いた。
見上げてみると、空はきれいな茜色に染まっている。
「あーらら、時間になっちまったな。
んじゃ、今日の話はここまでだな」
途端、子どもたちから不満の声が弾丸のようにラリマーにぶつかった。
「えーっ!」
「何で終わっちゃうのー?」
「女の子はどうなっちゃうのー?」
「ダメだダメだ、はやく家に帰って、父ちゃん母ちゃんの手伝いしろ。
続きはまた会ったときに話してやるから」
「絶対だよ?」
「ああ」
ラリマーの言葉を素直に聞いて、子どもたちが母親の元へ、家へと走って行く。
大人たちも帰路につき、人だかりはあっという間になくなった。
台座から飛び降りて、ラリマーが2人のもとへ歩く。
ティファニーの頭をぽんと撫で、レムリアンに笑いかける。
「どうだ?少しは気晴らしになったか」
「あア……気ヲ遣わせてしマってすまナイ」
「気にすんなって」