極彩色のクオーレ
ラリマーがつねり返そうと手を伸ばしたが、セドナは素早く身をひるがえしてかわし、『植物百科図鑑』を奪い取ってレムリアンと一緒に見た。
「でも、この花が手に入れば、あの女王様人形職人も認めてくれるんじゃねえのか?
やったな、レムリアン」
「ああ、可能性ガ見えてきタ」
「そんでラリマー、この花はどこに行けば手に入るんだ?
開花時期はちょうど今だろ?」
「知らねえ」
ラリマーの即答に、一瞬室内がしんとなる。
それから、セドナがラリマーの背中に飛び蹴りをしようとして、疲れるのでやめた。
代わりに強く舌打ちする。
「知らねえって、どういう意味だよ?」
「どうって、そのまんまだよ。
その図鑑には、どこに蜻蛉花が咲いているのか書いてねえんだ。
こればっかりは、さすがのオレもノーヒントじゃ無理だ」
「ちっ、ぬか喜びさせやがって。
レムリアン、一発ぶん殴ってもいいぞ」
セドナがラリマーに向かって顎をしゃくる。
人間に似てはいても、レムリアンの肌はニコのように合成樹脂膜では覆われていない。
殴られたらかなり痛いだろう。