極彩色のクオーレ
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翌朝、セドナがティファニーの家に来た。
彼が仕事前にここに来ることはほとんどないので、声を聞いたティファニーは驚いた。
「おはよう、ティファニー」
「おはよう。珍しいね、どうしたの?
何か忘れ物した?」
「いや、そういう訳じゃねえんだ。レムリアンはもう起きてるか?」
「うん、さっきニコと一緒に朝ごはん食べ終わったところだよ」
靴を脱ぎ、セドナはティファニーの後について廊下を歩いた。
森の中だからだろう、空気が街よりもひんやりとしている。
「ラリマーは?」
「書室で寝ているわ。昨夜は徹夜したみたいで、少し寝たいって」
「またあいつは無理して……」
リビングへのドアを開ける。
テーブルにニコとレムリアンが座り、紅茶を飲んでいた。
「おはよう」
「あれ、どうかしましたか?もしかして忘れ物でも」
「お前も、なんで俺が朝に来ると忘れ物したって思うんだよ……」
主人と同じ反応に半ばあきれつつ、セドナはレムリアンの肩に手を載せた。
ゴーレムの身である彼は当然、睡眠不足とは無縁だ。
動力切れにならなければいいのだが。
「よう、徹夜で探してたんだってな。蜻蛉花の咲いている場所は分かったか」
「いいヤ、まダ文献が見つかっテイない。
ラリマーが目ヲ覚まシタら、また探すつもリダ」