極彩色のクオーレ
ニコは修理済みのものを依頼主に返しつつ、リビアの家へと歩いた。
途中で何人かに頼まれたが、その場ですぐに直せるもの以外は丁重に断った。
それでも倍近くの時間がかかってしまい、到着したのは、太陽がやや南寄りの東の空にのぼったころであった。
「どなた様で……あ、あんた、ニコ?」
ドアベルを鳴らして十数秒、愛らしい笑顔でリビアが出てくる。
しかし訪問客がニコだと分かると、その愛らしさの欠片もない驚いた顔つきになった。
(すごい営業スマイルですね……)
「何しに来たの?ティファニーのところにいなくていいの?」
「はい、レムリアンに頼まれまして」
「……は?」
事情を説明すると、腕組みして聞いていたリビアが高圧的な笑みを浮かべた。
「へえ、あのポンコツでも、気がきくところがあったのね。
まあこんな程度じゃ、あいつをあたしのゴーレムに戻そうなんて思わないけど!」
「や、彼はそういうつもりでぼくに頼んだわけではありません」
「知らないわ、そんなの」
リビアがぷいっと横を向く。
その傍らに、なぜだか、シャロアの姿がちらと見えた。
自分の場合とは異なるけれど、彼女も自分がつくったゴーレムを捨てた職人。