極彩色のクオーレ
「リビアが考えている『完璧』がどういうのかイマイチよく分からないけど。
俺、この世に完璧なんか存在しないと思うんだよね。
完璧って、欠点が何にもないってことだろ、人間業じゃねえもん、そんなのって」
レムリアンもゴーグルを外して、セドナの話を黙って聞いた。
「でも、完璧ができないからって、手抜きしていいのかって言うともちろんそうじゃない。
俺が作る飾りを望んでくれるお客がいてくれるから。
だから俺は巨匠レベルからほど遠くても、その時点での俺ができるベストを尽くして、全力で心を込めて飾りを作る。
職人の世界での『完璧』ってのは、そういうもんだと思うよ」
ふいにセドナは立ち上がると、背負ってきた鞄から小さな箱を出した。
蓋を開け、中身をバットに広げる。
様々な種類の飾りだった。
もちろん、すべてセドナが作ってきたものである。
「見習いの時につくったものだよ。全部、俺の全力を尽くして、これ以上は無理ってところまで粘って完成させた。
職人が自分の技術やプライド、心にかけて全力でつくったものは、全部『完璧』だと思う。
自分がこれ以上出来ないってところで作業を終了するワケだし。
ただ、みんな上を目指していくから、その精度が徐々に高くなっていくだけ。
そうなると昔に作った、何の応用もない作品がすっごく未完成に感じちゃうけど。
だからって、それを気にすることも恥じることもねえよ。
その時点でのベスト……『完璧』には変わりないんだからさ」