極彩色のクオーレ
『久しぶりに、南の森・エンハンスと東の森・トリロニーの境まで歩いてみた。
ガイヤの部分はクラウンとほとんど景色は変わらないが、そこを抜けたところは、生えている植物や樹木、見られる風景がかなり異なる。
しばらく歩いたところで、丘があることに気づき、のぼってみた。
そこには透明の花弁をもつ花が群生していた。
蜻蛉花であった、初めて見た。
ローザのお腹にいる子が無事に産まれ、大きくなったら、家族三人で見に来よう、きっと喜んでくれる。
忘れないよう、地図に記しておこう』
後ろから二行目の一文は読むべきか否かためらったが、ラリマーは読み上げた。
下手に隠すのは、彼女に失礼な行為であると判断したからだ。
目隠しのせいでティファニーの顔にどのような感情が表れているかは分からない。
けれども、暗い雰囲気にはなっていないことは分かった。
「そんで、その地図がこれ、一緒に挟んであった」
ラリマーは古くなった地図を、破れないように広げた。
ところどころに染みがあって全体図は分からないが、一か所、赤鉛筆で丸く囲っているところがあった。
ここが、蜻蛉花が群生していた丘なのだろう。