極彩色のクオーレ
「ここニ行けば、蜻蛉花ガある」
「ああ」
レムリアンは食い入るように地図を見つめる。
それから顔をあげて、ラリマーに近づいた。
ラリマーは彼の迫力に少し押され、思わず後ずさる。
「ラリマー、本当にありがトウ。
アとはこの花を手に入れレバ、ワタシはリビアが望ム、完璧なゴーレムになるコトができル」
「良かったですね、レムリアン」
「アア」
レムリアンは割れ物を扱うような手つきで地図を折りたたみ、日記に挟んだ。
「ティファニー、蜻蛉花ヲ見ツケるまで、しばらくコの日記を貸シてはクレないか?」
「え?」
「必ず瑕はツケないで返ス。だからお願いダ」
「……うん、分かった。でも、今日はもう遅いから、行っちゃダメだよ?
探しに行くのは明日にしてね」
ティファニーの声はどことなく弱く聞こえたが、微笑みを浮かべる顔は、普段の彼女と変わらなかった。
今にも駆け出しそうな雰囲気だったレムリアンは釘を刺され、おとなしく頷く。
そこで話はひとまず中断し、4人は夕食をとることにした。
――しかし、レムリアンはティファニーとの約束を守らなかった。
「スマない、ティファニー。必ズ返しに戻ル。
……リビア、待っテいてクレ」
月が高く上がるなか、レムリアンは森の中へと消えた。