極彩色のクオーレ
一気に沸点に達したセドナが怒鳴った。
隣にいるティファニーがびくりと首を竦めたが、セドナは気づかない。
ニコは表情を変えず、瞬きを一つした。
「なんでお前も行かなかったんだ、アホ!」
「え、花を摘むのにぼくが必要だったんですか」
「そうじゃねえよ!
開花期間はまだあと2月もあったじゃねえかよ、なんで1、2週間も待たないで今行くんだ、今!
見つけて教えたのは絶対ラリマーだな、あのクソ孫、余計なことしやがって!」
「せ、セドナ落ち着いて。急にどうしたの?」
ティファニーは怖かったが、思い切ってセドナの腕を掴んだ。
かなり力がこもっているせいで、棒のように筋肉が硬く張っている。
それでわずかに焦りがなくなったセドナだが、苛立たしげに髪をかきむしった。
ワケが分からず、手を引っ込めたティファニーはニコを振り向いた。
「おいニコ、リビアが行ったのはどんくらい前だ!?」
「えっと……1時間ほど前ですかね。
ぼくが話したら、馬車に飛び乗って行ってしまいました」
「だから何ですぐ追いかけな……だぁあ、もう腹立つ!
あいつら連れ戻すぞ、お前も来い!」
ニコの腕を掴んでセドナが走り出しかける。
だがすぐに足を止めて、戸惑っているティファニーに叫んだ。