極彩色のクオーレ
南東の森まで近道をする。
なるべく人通りの少ない道を選びながら猛然と走る二人(ニコは相変わらずの無表情だ)に、すれ違う人たちは驚いて道をゆずった。
避けないとぶつかってけがをしてしまいそうな迫力である。
曲がり角に置いてあった樽を危うく蹴りそうになり、かろうじて回避してセドナは説明を続けた。
「で、そのせいであそこにシナワニが棲みついたんだよ!」
「うえ、シナワニ!?」
ラリマーが表情をゆがめた。
苦手な何かなのだろうか。
「あの、そのシナワニはなんですか?」
セドナからは舌打ちが返ってきた。
代わりにラリマーがニコに解説する。
「一言でいえば、首の長いナメクジみたいな獣だな。
厳密には獣じゃなくて、軟体動物が突然変異を起こして巨大に成長したものなんだけど。
目は退化していて、代わりに伸縮自在で何本にも増やせる触手を持っている。
シナワニはツェツェが大好物だから、生息地が変わったんだな」
「もう終盤だけど、今はまだシナワニの繁殖期なんだ」
「……おいおい、マジかよ」