極彩色のクオーレ
ラリマーが口元をひきつらせてセドナの背中を見る。
ちらりとセドナは後ろを見て、わざとらしくため息をついた。
「ようやく事の重大さがわかったか、アホ」
「全然分かりません」
ニコが素直に言った。
嘘をつかれるよりはずっとましではあるが、セドナの怒りの温度が少し上がったのは当然である。
セドナをなだめて、ラリマーが説明係を引き受けた。
「シナワニの群れは、複数匹の雌と一匹の雄で構成されている。
群れ同士が離れているのは、ムダな争いを防ぐため。
んで、問題なのはその雄、シナワニの雌は小さくて特に害はない」
「ということは、雄が大型なんですね?」
「そう、雌はだいたい、体長30センチ」
「雄は?」
「うーん、でかいので10メートルそこそこかな」
この建物と同じくらいか。
ニコは横切りながら、三階建ての家を見上げた。
「それで、具体的にどういったところが害なんですか?」
「お前ら悠長に話してんじゃねえぞ!口より足動かせ、足!」
セドナが振り返って叫び、足元の小石を拾って投げつけた。
首を左に倒して、ラリマーはそれを躱す。
その代わり、話しているうちに遅くなっていた足どりを速めた。
ニコもそれに合わせる。