極彩色のクオーレ





「ラリマー、説明の続きを……」


「ああ、その雄なんだけど。


縄張りにいる雄は全部食っちまって、雌は群れに加えるんだ」


「食べるって、雄同士が餌になるんですか?」



ラリマーはひらひらと手を振って否定する。



「そうじゃねえよ。


シナワニは本来、気性の穏やかな動物で虫を食べることが多い。


でも繁殖期だけは大食いになるし、猛獣並みに荒くなるんだ。


交尾や出産には体力がいるし、雌を守る雄だって激しく消耗する」


「大変なんですね」


「生物が避けては通れない道さ。


そんで、自分の子孫を残そうと必死になっている雄たちが厄介なことこの上なくてな……」



彼には珍しく歯切れの悪い言い方をしている。


ニコは唇を尖らせ、ラリマーからセドナの背中へ視線を動かした。



「もったいぶらないで教えてください。今、語り部の技術は必要ありませんから」


「わ、悪い。……お前に言われるとちょっときついな。


雄はな、相手がシナワニじゃなくても、雌ならすべてさらう。


そして雄だったら、なんでも食い殺しちまうんだ」



森の入口が見える。


そこにはリビアの薄桃色の馬車が乗り捨てられていた。









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