極彩色のクオーレ

--










数本の触手が伸びてくる。


それに捕まらないよう後方へ大きく飛び、リビアは手板を動かした。


兎のぬいぐるみが彼女の盾となり、鎌ですべての触手を切り落とした。



「ったく、しつこいわね……」



リビアは吐き捨て、目の前に立ちはだかる生物を見上げた。


毒々しい青色の体色に、黄緑の斑点模様が浮き出ている。


気持ちの悪いビジュアルだ。



「初めて見るわ、これがシナワニの雄……」



再び伸びてきた触手を、今度は猫のぬいぐるみを操作して切った。


しかし、すぐさま別の触手が伸びてくる。


リビアは兎を動かしたが、その前に、ぬいぐるみにつないである紐が捕まってしまった。


舌打ちをして熊のぬいぐるみで噛みちぎり、リビアは森の奥へ走った。


シナワニがあとを追いかける。


腹足のため音はなく、茂みをかきわける音だけが耳に届いた。



「ああっ、もうしつっこい!


しつこい男と完璧からほど遠いものは大っ嫌いなのよ。


資材にもならないし、役立たずだわ」




< 505 / 1,237 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop