極彩色のクオーレ
ニコは足を止め、上を向いた。
木々の枝に囲われた空は、青くきれいに澄んでいる。
気づいたラリマーが振り向いて呼び、先頭を行くセドナも走るのをやめた。
「ニコ、どうした?」
「今、誰かの怒鳴り声が聞こえたような……多分、リビアだと思います」
「本当か!?」
三人は息をひそめ、周囲の物音に神経を集中させる。
しかし、聞こえてくるのは風で草木が揺れる音、小鳥のさえずりばかり。
人のどころか、獣の鳴き声すらなかった。
「……気のせいじゃねえのか?」
セドナの言葉にニコは首をかしげる。
「おかしいですね、確かに聞こえたと思うんですが……」
「まあ、ここで耳を澄ましていても仕方ねえ。
地道に走って探すぞ」
ニコの肩を叩いてラリマーが駆け出し、セドナを追いぬく。
膝丈ほどの茂みを飛び越えたとき、何かに躓いたのか派手に転倒した。
ごちんっ、と嫌な音がする。