極彩色のクオーレ
「ニコ、今はシャロアのことは考えるな」
「すみません」
数回手を叩き、ラリマーは場の空気をもとの方向へ戻した。
シナワニがいるであろう方角を指差す。
「リビアがシナワニに遭遇しているとしたら、おそらくこの足跡の主だ。
巣に連れて行かれる前に助けるぞ」
「ああ」
「当然ダ」
「はい」
ラリマーが順々に三人の顔を見ていく。
目が合ったとき、ニコは彼の瞳の奥に小さな、でもとても明るいきらめきを感じた――気がした。
ヂリ、と左胸がざわつく。
「ラリマー、楽しんでいませんか?」
ニコが走りながら聞くと、あっけからんとした返事がかえってきた。
「ちょっとな、シナワニの雄なんて、こういう強制的な状況でなきゃ見ようとは思わないもん」
「目的はあくまでリビアの奪還ですからね、間違えないでくださいよ」
「へいへい……ん?あれは」
獣道の真ん中、足跡の上に、紐がつながっている何かがある。
近づいてみるとそれは、鎌を持ったぬいぐるみの片腕だった。
見覚えがある。
念のためレムリアンに見せると、彼はこくりと頷いた。