極彩色のクオーレ
横へ飛んだニコは地面をころがり、すぐに体勢を整える。
そのとき、視界の端に落ちているものに気になった。
片腕をもがれた兎のぬいぐるみだった。
紐の先には、折れた手板が転がっている。
ニコがそれを拾って顔をあげたとき、レムリアンが叫んだ。
「リビア!」
シナワニの首のあたりに、触手に四肢を絡み取られたリビアがいた。
服はあちこち破け、泥が付き、顔には細かな傷があり血がにじんでいる。
気を失っているのだろう、レムリアンの呼び声に反応はなかった。
「くソ、リビアを離セ!」
「待てレムリアン!」
「むやみに突っ込むなバカ!」
セドナとラリマーの制止を聞かず、レムリアンがシナワニに向かって走る。
せっかく手に入れた雌を奪われまいと、シナワニが先端を鋭く尖らせた触手を出す。
毒の触手よりさらに速いスピードで、レムリアンに襲いかかった。
レムリアンはとっさに両腕で顔をかばったが、触手は彼の足や脇腹にかすり、パーツを削る。
「グっ……」
「危ない!」
セドナが叫びながら駆け出してレムリアンを突き飛ばし、彼の胴部を貫こうとした触手をどうにか避けた。
すぐさまラリマーがナイフを投擲し、触手を木の幹に縫い付ける。