極彩色のクオーレ
「おい待てよ、リビア!」
あまり運動をしないイメージだったリビアの足は意外と速く、なかなか距離が縮まらない。
職人であり傀儡子であるから、体力がそれなりに備わっているのだろう。
呼びながら走るラリマーの方が、先にばててしまいそうだ。
(仕方ねえ、スカートのすそを固定して、無理やり止めさせるか)
ラリマーが小振りのナイフを手にする。
投げようとしたそのとき、根につまづいたのかリビアがもんどりうって倒れた。
ずしゃ、と痛そうな音がする。
顔から地面に突っ込んでしまったようだ。
「おい、大丈夫か!?
今すっげえ痛そうな音したぞ!」
「うるさいっ!」
助け起こそうとしたラリマーの腕を払い、リビアが怒鳴った。
これまで聞いてきたどの言葉より、激しい怒気をはらんでいる。
思わずラリマーは腕を引っ込めそうになったが、また逃げようとするリビアの腕を掴んだ。
「いったいわね、離しなさいよ!」
「痛くしてんだから当たり前だろうが!
急に逃げ出してどうしたんだよ。
ポンコツとか、役立たずとか、間抜けとかそういった嫌味も何にも言わないで。
お前らしくもない」