極彩色のクオーレ
ふいにリビアが右そでをまくった。
白く滑らかな女性特有の肌は、シナワニとの攻防であちこち傷ができている。
でも、それらはラリマーの目には止まらなかった。
表皮に灰色の薄い斑点ができている。
近くでよく見ると、その部分は石に似ていた。
ラリマーはざわりと身体の奥で何かがうごめくのを感じた。
「あたしも、この病気にかかっているの」
「……いつ分かったんだ?」
「一月くらい前、かな。
そのときは斑点じゃなくて青痣だったんだけど、ぶつけた覚えがなくて、お医者さんを呼んで診てもらったの。
それで、石像病の症状だってことを教えてもらった」
まるで他人事のようにリビアは言った。
患部を袖でまた隠す。
右手首を押さえる手に、わずかに力がこもっていた。
「遺伝する病ではないから、本当に珍しいケースだって言われた。
そんな珍しいこと、ちっとも嬉しくなかったけどね。
痣ができてからその部分が石化するのは、病の進行が遅い証拠らしいわ。
進行を遅れさせる薬を処方してもらったから、まだこうして人間の身体で生きていられるけど。
……でも、特効薬ができない限り、あと5年もつかどうか、って言われた」