極彩色のクオーレ
「……俺をかばって、それでもしお前が死んだらどうすんだよ」
危うく聞き落としそうになった声に、タオルの端で顔を拭いていたハックは手を止めて腐れ縁を見た。
タンザは足を組んでそっぽを向いている。
表情をハックに見せないようにして、タンザがぼそぼそ続けた。
「もちろん、助けてくれたことには感謝してるよ。
おかげで俺は傷一つ負わないでロアから逃げられたんだし。
でも、そのせいでもしお前が死んだら……運よく生きてたとしても大ケガしていたら?
それが原因でひどい後遺症とかが残っちまったらどうすんだよ?
俺はそんなの、絶対に嫌だからな」
ハックは右足を見下ろす。
攻撃的になったロアに襲われて、どこも食いちぎられなかったのは奇跡に近い。
ロアが歯を離すよう仕向けてくれたセドナに感謝すべきだ。
もしあのまま噛まれ続けていたら、右の脛を確実に失っていただろう。
そうなってしまったら、歩くことが出来なくなっていた。
下手をすれば、出血多量で命を落としていたかもしれない。