極彩色のクオーレ
自分にない良さを認め、それに強く惹かれる『憧憬』の心。
それを羨ましがり妬むのではなく、負けたくないと思う『競争』の心。
どちらも上昇意向を強めるために不可欠な心だ。
今の自分よりも、大きく成長するために。
「……前向きになれるけど、間違えたら負の方向へ働きそうな感情ですね」
「うん?何か言ったか?」
独り言にラリマーが振り返ったが、なんでもないとニコは首を振った。
視界の端に、ティファニーの姿が入りこむ。
タンザたちと別れてからここまで、一言も話していない。
唇をへの字に曲げ、不満そうにしている。
同じくそれに気づいたセドナが、歩くのを止めて彼女の顔をのぞきこんだ。
「どうした、ティファニー?」
「え?」
「いや、さっきからずっと黙りこくっているからよ」
道標が森の中へ続いていくところだった。
声をかけられて一瞬だけ顔を上げたティファニーが、三人から顔を背ける。
曲げた唇を軽く噛み、さわさわ揺れる枝が静かになってから、ぽつりと言葉を落とした。