極彩色のクオーレ
「あー、なかなか痛い出費だな。
嫌ってわけじゃねえけど、それでも独り暮らしの身にはけっこう堪えるよ…」
分かる分かる、とセドナとハックが頷く。
家主から借りた算盤を片手にそれぞれの予算を検討しながらタンザが言った。
「予算以内には絶対に収めろよ、お前ら。
豪華にしたい気持ちは俺も一緒だけど、金は大事に使えよな。
特に今年はどこもかしこも値上がりしてるから」
「え、そうなのか?」
「お前俺の家に来るまで何も見てなかったのかよ……」
驚くラリマーの後頭部に、セドナが消しゴムを投げつける。
悪ノリして壁に掛けてあったタオルを投げたハックが説明した。
「あちこちの農家で作物が育ってないんだ。
育っていても、病気にかかっていたり割ってみたら虫がわいていたりで、人が食えるような状態じゃないらしい。
とにかく大不作で、農家のおっちゃんやおばちゃんたちがてんやわんやだったぜ。
隣の町や村からもらってこねえとルースの食糧は壊滅的だって、青果屋や市場の店員がぼやいていたよ」
「へえ、だから値上がりしてるのか」