極彩色のクオーレ
タンザがやけに真剣な顔つきで念を押す。
ハックによると、彼は金銭関係や仕事関係になるとかなり細かくうるさくなる性格らしい。
けれども節約するという意識は全員にあったので、文句を言う者はいなかった。
「……なんか、『毒龍の息吹』みたいで、ちょっと怖いね」
声が途切れたタイミングで、ケセラの呟きが落ちた。
16個の目に見つめられ、肩をビクッと跳ねさせる。
「なんだ、その『毒龍の息吹』って?」
「父さんの故郷の町に残っている古い言い伝え。
母さんはルースの生まれだけど、父さんは別の国からここに働きに来たんだ。
そこには『毒龍』と呼ばれる凶暴でとっても強い龍がいてね、普段は町や村の災厄を食べてくれる豊穣の神様として奉られているんだけど。
何年かに一度、その食べた災厄の残りを口から吐き出すんだ。
それが町や村を襲うから、『毒龍の息吹』と呼ばれている。
『毒龍の息吹』の年は作物が育たないし、動物も狩れないし、町には疫病が流行すると言われているの。
だから、それにちょっと似ているなーって思って」