極彩色のクオーレ
「それって、身体の中身のこととか?
確かに内臓や血液とかを完全にコピーするって難しいよな」
冗談めかしのギベオンの言葉に、ケセラがやや青ざめる。
そういった類に弱いのだろう。
彼女の隣で聞いているタンザも何とも言えない表情を浮かべていた。
そこへリビアが話に入り、さらにニコの左腕の合成樹脂膜まで剥がす。
炭素繊維で細かく編まれた人工筋肉を目の当たりにし、ケセラが「ヒイッ」と情けない悲鳴をあげてニコから離れた。
「そんなことはないわ。
内臓はまだ難しいけど、ほら見てみなさいよ、この人工筋肉。
ここまで人間の筋繊維を再現できてるのよ、内臓や体液をつくれるのだって夢物語じゃないわ。
それに内臓や脳に近い部品だって造れているのよ。
現にゴーレムや人形が人間と一緒に食事ができるようになったのは、この技術革新のおかげなの。
だから近い将来、こんな風に合成樹脂膜を剥がせば」
「リビア、リビア」
うっとりと語り始めるリビアをラリマーがさえぎった。
彼女に睨まれる前に、ソファの方を見るように促す。
そこには真っ青になってクッションを抱きしめて丸まっているケセラがいた。
どうやら彼の許容範囲を超えてしまったらしい。
さすがのリビアも、気まずそうな表情になってケセラに謝った。