極彩色のクオーレ
レムリアンの肩を叩いて口元に人差し指を立てたラリマーの腕を、リビアがふくれっ面でつねる。
完全に八つ当たりだ。
傍に立つセドナが苦い表情になり、視線をニコの方へ背けた。
羅針盤を眺めながら、さりげなく2人から距離をとる。
もちろん、リビアの八つ当たりのとばっちりを浴びないためだ。
「しっかし、17本も針があるゴーレムなんてすげえよな。
さすがは『天才』の技術。
これ、まだ”心”を覚えることができるのか?」
「うーん、どうでしょうかねえ」
「覚える心の数に上限とかはあるのか?」
「分かりません」
「何でだよ、お前の羅針盤だろ」
「マスターから何も教えてもらえてないんですよ。
でも、覚えられるのは多分あと一つか二つくらいだと思います」
「だな、こんだけぎっちり針ができてるもん。
もうここしかスペースないじゃん」
ギベオンがずいと身を乗り出し、羅針盤の一点を指差す。
時計ならば8時の辺り。
月白(げっぱく)色の針と小鹿色の針の間だけわずかにスペースがあった。
恐らく、ここに最後の”心”を覚えるのだろう。