極彩色のクオーレ
ふんわりとした柔らかそうな短い髪は、ほとんど白に近い銀色でかなり目を引く。
澄んだ天(あま)色の大きな双眸には優しげな光が宿り、彼と視線が交わった者を笑顔にさせた。
緑を基調にした、素人目でも高級だと分かる服の着こなしや姿勢、周囲の歓声への応え方からも、青年の気品さが溢れている。
斜向かいに立つ若い女性の集団が、黄色い声を上げた。
その高さと大きさにケセラがびくりと震え、タンザとハックが苛立たしげに舌打ちをする。
ラリマーも愉快ではなさそうに表情を歪めていた。
「なんだあの優男…」
「自分がモテないからって嫉妬するんじゃないの。
男の僻みほど見苦しいものはないわよ」
「僻んでねえよ。で、あれ誰?」
ラリマーが腕を組み、白銀髪の青年へ顎をしゃくる。
その脛をつま先で蹴りつけ、ガードされて舌打ちしてからギベオンが教えた。
「あの人はセイクリッド=モルダ。
ヨリジェの第2王子だよ」
「ふ~ん……って、はあ!?
隣国の王子サマ!?マジかよ!」
「マジだよ、ほら、あの服の左胸。
あれはヨリジェの王家のエンブレムだよ」