極彩色のクオーレ





ギベオンがセイクリッドの左胸を指差す。


一角獣と翼、青薔薇をモチーフにしたエンブレムだ。


どれも民衆の頂に立つ者の象徴である。



やがて一行がニコたちのところに近づき、それにつれて集団の後方が見えてきた。



「ヨリジェの第2王子サマが、なんでまた異国のルースに」


「おおーっ!」



ぼやくラリマーを押し退け、ギベオンが目を輝かせる。


2頭の馬が引く荷車には、森で仕留めたのであろう大型獣が網にくるまれ横たわっていた。


麻酔針か何かで生け捕りにしたのだろう、腹部が動いている。


げえっとセドナが大げさに顔をしかめた。



「ハウンドじゃねえか。


こいつまでルースの近くにいるなんて、いよいよ大陸が狂ったのか?」


「なんですか?はうんどって」


「砂地に生息するイグアナの分類。


でも哺乳類の特徴を持つから、突然変異種だって言われている。


変なの、分布は砂漠地帯の西のはずなのにな……」



セドナが首を傾げる隣で、ギベオンが大きく首を縦に動かす。


荷車が彼らの前を通りかかったとき、閉じられていた瞼がパチリと開いた。


棒状に走る3つの瞳孔をもつ黄土色の目だった。


それを見た者はまずその不気味さに驚き、遅れてハウンドが目覚めたことに恐怖を抱いた。




< 733 / 1,237 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop