極彩色のクオーレ
「やべえ!」
「ちびっ子、早く逃げろ!」
タンザとハックが叫んだが、男の子は腰を抜かしてしまっているようで動かない。
その間に、獲物と認識したのだろう、ハウンドの後ろ脚に力がこもる。
舗装された地面にめり込んだ瞬間、跳躍して彼に襲いかかった。
人々の口からさらに緊迫した悲鳴が飛び交う。
――そこへ滑り込んだのはニコだった。
ハウンドよりも先にたどり着き、少年を抱きこむようにして地面を転がる。
球には止まれず、ハウンドは彼らの後ろに建つ玩具屋に突っ込んだ。
耳をつんざくような轟音が通りに響き、レンガづくりの店に大きな穴が開く。
そのレンガのブロックと店内に陳列してあった大型の仕掛け時計や仕掛棚が外に飛び出し、うちのいくつかがニコたちの方へ振る。
ニコは片膝をついて体勢を整えると、男の子を片手で支え、もう一方の手に工具を持った。
くるりと手の上で一回転させ、眼前に迫ってくるブリキの鎧を見た。