極彩色のクオーレ
工具を握った手を一振りする。
カシャンッ!
瞬間、鎧の部品がすべて分解されて地面に落ちた。
ニコは表情一つ変えずに腕を振り続ける。
頭に降りかかってくる物がなくなったときには、ニコの周囲には部品やレンガの山ができていた。
その手さばきの鮮やかさに、固唾を呑んで見守っていた者たちは唖然とする。
「すっげえ…」
タンザも思わず感嘆の息をもらす。
「よっしゃ!よくやったぜ、ニコ!」
その隣でラリマーがガッツポーズをとった。
ニコは通りの反対側にいるティファニーたちに頷くと、抱えていた男の子を立たせた。
びっくりしすぎて表情が硬直している男の子と目線を合わせ、小さな頭をポンポンと優しく撫でる。
「もう大丈夫ですよ、安心してください」
「あ、あり、がと……」
「君のお父さんかお母さんはどこに」
男の子の両親を探そうとニコが視線を彼から外したとき、大破した店で瓦礫が崩れる音がした。
店に頭部を突っ込んだままでいたハウンドが、ゆっくりと通りに出てきた。
安堵の空気に包まれかけていた民衆の間に、再び戦慄が電流のように駆けていく。