極彩色のクオーレ
倒れた振動の余韻が、いつの間にか静まり返った通りに溶ける。
そして、拍手と歓声が驟雨のようにセイクリッドのもとへ降りかかった。
今度こそ、通りは安堵に包まれる。
民衆を安心させる暖かな笑顔を見せるセイクリッドに、数人の衛兵が駆け寄った。
「王子!」
「お怪我はありませんか!?」
「ああ、僕なら心配いらないよ。
それよりも、街の人たちの様子を見てあげてくれ。
あと、子どもを怖がらせるのはいけないから、このハウンドを早く積み直そう」
「はっ。それでは新しい荷車をしなければ……」
衛兵の一人が、暴れたハウンドによって大破された荷車を振り返る。
しかし、そこに瓦礫は1つもなく、あるのは無傷の荷車だった。
もちろん彼らがハウンドを乗せていたものである。
「こ、これは一体……!?」
何人かの衛兵が目を丸くする、声すら出ない者もいた。
セイクリッドも驚きを隠せなかったが、工具をしまいながらその荷車から離れる少年に気づいた。
ハウンドに襲われかけた子どもを間一髪で助けた彼、ニコである。