極彩色のクオーレ
「すごいな、どこから見ても人間なのに。
ヨリジェにもゴーレムはいるが、こんなに精巧なものは初めてだ。
……ああ、挨拶が遅れてしまったね。
僕はセイクリッド=モルダ。
ヨリジェの第2王権後継者だ、君は?」
「ニコです」
握手を求められたので、ニコはセイクリッドの手をとる。
外見に似合わずゴツゴツと骨ばった力強い手だった。
ラリマーたちが後ろで羨ましげにニコを見ていたが、彼はもちろん気づいていない。
人間と同じ手の感触に、セイクリッドは長く息を吐いた。
「ルースに来て一月近く経つが、君のように素晴らしいゴーレムに逢えるとは思わなかった。
造主は誰だい?
ルースの人形職人の誰かか?」
「いいえ、造主はここにはいません」
「おや、それじゃあ君は誰のものでもないのか?」
「主人はいます。彼女です」
ニコに肩を叩かれ、ティファニーがセイクリッドの方を向く。
一拍置いて意味を理解し、慌てて頭を下げた。
「は、初めまして」
「こちらこそ、初めま……」
にこやかに挨拶を返しかけたセイクリッドが目を見開いた。
雷に打たれたような顔つきでティファニーを見る。
「…落ちたな」
「え?」
ぼそっと呟いたギベオンにケセラが向く。
彼女が顎をしゃくると、セイクリッドがティファニーの両手を優しくとった。