極彩色のクオーレ
「んなはっきり言うなよ!
じゃなくて。
いくらティファニーが女の子らしくても、難しいんじゃないのかって意味だよ。
クロアみたいな容姿端麗の、高級貴族のお嬢様には勝てないだろ?」
「というかあの王子様、クロアがいるくせに他の女もナンパするって、それはないだろ」
セドナが腕組みして不機嫌そうに唇を突き出す。
それにタンザとハックが同意しかける前に、ギベオンが眉間にシワを微かに寄せて言った。
「何言ってんの、王族の一夫多妻なんて珍しくないでしょ」
「……え!?」
「そうなのか!?」
腐れ縁二人が勢いよくギベオンを振り返った。
セドナは声も出ないくらいショックを受けたらしい。
そんなことも知らないのか?という表情でギベオンが三人に視線を向けた。
「だって王族だよ?妾の一人や二人、いたって不思議じゃないよ。
しかも強豪国のヨリジェだし。
ロスティル街長も、それ承知のうえでクロアとの交際を認めているんだろ」
「異国の王子様相手って、街長も思い切ったことしたわねえ。
下手すりゃ娘がヨリジェにさらわれるってのに」
感心しているようにも呆れているようにも聞こえるリビアの声は、セドナの耳には入っていなかった。
暗い表情でうつむき、「いっぷ、たさい……」と力なく落とす。