極彩色のクオーレ





どうフォローするべきか分からず、タンザとハックが互いに、お前が行けと肘でつつき合う。


にやりと意地悪い笑みを浮かべたラリマーが余計なことを言わないよう、ギベオンが右脛を蹴った。


ティファニーは彼らの会話に入ることなく、セイクリッドが去って行った方を向いていた。


右手を胸の前に引き寄せ、空いた手で撫でられた頭に触れている。


そんな様子の主人が気になり、ニコが首をかしげて彼女の肩を叩いた。



「……ティファニー?」


「へっ?」



ティファニーが小さく肩を跳ねさせ、ニコを見上げた。


全く反対の方を見たので、もう一度肩を叩いて正しい居場所を知らせる。



「どうしたんですか、急にボーっとして」


「え?ううん……なんだか、不思議な人だなあって思って」


「セイクリッド王子が、ですか」



無言でうなずき、ティファニーが再び中央塔へ顔を戻す。


まるで、愛しい恋人が自分のもとから離れていくのを寂しく思う女性のようだ。



(ティファニー、まさか……)



ますますセドナの背負う雰囲気が悲しげなものになる。


そこだけがどんよりと曇ってしまっているようだ。


彼の前でセイクリッドについて話していたリビアとギベオンはバツが悪そうな顔になり、タンザとハックが励ますようにセドナの背中を叩く。


ラリマーもまた中央塔を見ていたが、その表情は一転して堅く引き締まっていた。









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