私の意地悪な旦那様
いつからか分からないけれど、この壁のことは先輩から後輩へと先生には内密に受け継がれている。
そのため先生は存在を知らず、学校内でも元々人通りの少ないこの辺りからの進入は、遅刻者や違反者にとって最後の希望の星だった。
他の箇所に比べていささか欠けているため、そこに足をかけて登っていくという。(友達情報)
まさか自分が使う羽目になるなんて思わなかったけれど、今はそれどころじゃない。
生徒指導の先生のねちねちとした説教と反省文を想像して、ぶるりと身震いした。