神の手のひらで
凛とした、楽器のような声が辺りに響く。
男の人達が息を飲む気配がしてそちらを見た。
「何事だ。騒がしい」
一番に目に入ったのは透き通った銀色の髪だった。
重く鈍く光る剣とは比べ物にならない。
白銀とも呼べるその色は瞳にも宿していてーー
「アステル様!」
と。
名前だろうか、不思議な響きを持っている。
アステルという人はゆるりと顔をこちらに見せる。
正面から見たその顔は彫刻のように整っていて綺麗すぎた。
「アステル様!騒がしくしてしまい、申し訳ありません!」
「良い。・・・その者は」
「不審な女がおりましたので捕らえたところでございます!」
ちら、と私の目を見据えた。
よく見てみるとその瞳の輝きは水の水面に似ている気がした。
ずっと見ていたくなるほどに。
「・・・そう、か」
形の良い唇が低く声を上げた。
「その者は私の客人だ。丁重にもてなせ」
「は!?しかし・・・」
「聞こえないのか」
言いつけて私の腕を取る。
優しく立たせてくれて、微笑んだ。
「無礼を許してくれ、この者達にも悪気は無い」
「だ・・・大丈夫、です・・・」
本当は大丈夫などでは無かったが、そう言わざるを得なかった。
アステルさんはホッとしたように息をつき、手をやんわりと繋がれる。
「案内しよう。着いて来なさい」
繋がれた手は簡単に振りほどける力だったがこの人にはできなかった。
大人しく手を引かれるまま、アステルさんに着いて行った。
男の人達が息を飲む気配がしてそちらを見た。
「何事だ。騒がしい」
一番に目に入ったのは透き通った銀色の髪だった。
重く鈍く光る剣とは比べ物にならない。
白銀とも呼べるその色は瞳にも宿していてーー
「アステル様!」
と。
名前だろうか、不思議な響きを持っている。
アステルという人はゆるりと顔をこちらに見せる。
正面から見たその顔は彫刻のように整っていて綺麗すぎた。
「アステル様!騒がしくしてしまい、申し訳ありません!」
「良い。・・・その者は」
「不審な女がおりましたので捕らえたところでございます!」
ちら、と私の目を見据えた。
よく見てみるとその瞳の輝きは水の水面に似ている気がした。
ずっと見ていたくなるほどに。
「・・・そう、か」
形の良い唇が低く声を上げた。
「その者は私の客人だ。丁重にもてなせ」
「は!?しかし・・・」
「聞こえないのか」
言いつけて私の腕を取る。
優しく立たせてくれて、微笑んだ。
「無礼を許してくれ、この者達にも悪気は無い」
「だ・・・大丈夫、です・・・」
本当は大丈夫などでは無かったが、そう言わざるを得なかった。
アステルさんはホッとしたように息をつき、手をやんわりと繋がれる。
「案内しよう。着いて来なさい」
繋がれた手は簡単に振りほどける力だったがこの人にはできなかった。
大人しく手を引かれるまま、アステルさんに着いて行った。