神の手のひらで
連れて来られたのは私が倒れていた建物の中だった。


やっぱりどこかで見たことがある。


あまり興味が無かったせいか覚えていない。



「適当に座ってくれ」



外との時代を感じさせるような家具の部屋。


リビングのようなところだろうか、テーブルを挟んでソファが並んでいた。



「失礼します・・・」



金の装飾が施された一人掛けの小さなソファに恐々と座る。


ひんやりと冷たい。



「さて、単刀直入に聞こう」



半ば乱暴に腰掛けながらはっきりと言う。



「お前は誰で、どこから来た?」







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