10円玉、消えた
『らあめん堂』もかつては繁盛していた。
この商店街がまだ活気に溢れていた頃だ。
店舗数が倍近くあり、人通りも多かった。
『らあめん堂』では、ラーメンを食べに来る客はもちろん、出前注文もかなりのものだった。
商売が忙しく、食事を作ってる暇もない商店街の人たちがよく出前を頼んだからだ。
自分の店が終わってから、家族で食べに来ることもよくあった。
こうして『らあめん堂』は朝から晩まで大忙し。
竜太郎が店の手伝いをやらされるのは必然的だったのだ。
「いらっしゃい」
「醤油ラーメンちょうだい」
「俺も」
「あ、俺は味噌ね」
「はい、醤油二丁に味噌一丁~!」
「はいよ!」
そうした声が連日店内に響き渡っていた。
『らあめん堂』のメニューは実にシンプル。
ラーメンは醤油と味噌だけ。
あとはライス、そしてビール・ジュースといった飲み物。
チャーハンや餃子などはない。
「種類なんかたくさんあったって意味はねえ。どれもハンパになるだけだ。一つ一つじっくり作るのが一番。だからウチの醤油と味噌はどこにも負けねえ」
それが源太郎の持論であり、こだわりなのである。
この商店街がまだ活気に溢れていた頃だ。
店舗数が倍近くあり、人通りも多かった。
『らあめん堂』では、ラーメンを食べに来る客はもちろん、出前注文もかなりのものだった。
商売が忙しく、食事を作ってる暇もない商店街の人たちがよく出前を頼んだからだ。
自分の店が終わってから、家族で食べに来ることもよくあった。
こうして『らあめん堂』は朝から晩まで大忙し。
竜太郎が店の手伝いをやらされるのは必然的だったのだ。
「いらっしゃい」
「醤油ラーメンちょうだい」
「俺も」
「あ、俺は味噌ね」
「はい、醤油二丁に味噌一丁~!」
「はいよ!」
そうした声が連日店内に響き渡っていた。
『らあめん堂』のメニューは実にシンプル。
ラーメンは醤油と味噌だけ。
あとはライス、そしてビール・ジュースといった飲み物。
チャーハンや餃子などはない。
「種類なんかたくさんあったって意味はねえ。どれもハンパになるだけだ。一つ一つじっくり作るのが一番。だからウチの醤油と味噌はどこにも負けねえ」
それが源太郎の持論であり、こだわりなのである。