10円玉、消えた
「お~いリュウちゃん、何してんだ?そんなとこで」
「あ、タカさん」
学校からの帰り道、竜太郎は公園に立ち寄った。
ベンチに座って漫画本を読んでいるところで、黒部孝夫に呼び掛けられたのである。
黒部は自家製自転車に乗り、ちょっとした買い物に行った帰りであった。
公園の横を通り過ぎようとしたとき、学生服姿の竜太郎を偶然見かけたのだ。
黒部は自転車を降り、竜太郎に近づく。
一目で、竜太郎が漫画を読んでいるのだとわかった。
竜太郎が黒部に言う。
「この漫画、早く読みたくってさ」
黒部は微笑みながら竜太郎の横に座り、言葉を返した。
「そんなに早く読みたきゃもう少しで家なんだから、帰ってからゆっくり読めばいいのに」
「だってまた喧嘩してたらそれどころじゃなくなっちゃうだろ」
竜太郎は反論する。
「あ、なるほどな」
黒部は苦笑した。
やはり黒部は薄手のTシャツ一枚だ。
なのに額には汗をいっぱい浮かべている。
さっきまで全力でペダルを漕いでいたためだ。
そういえばタカさんが汗を掻いてないときって殆ど見たことないな、と竜太郎は思った。
「リュウちゃんはホントに漫画が好きなんだな」
「まあね」
「あ、タカさん」
学校からの帰り道、竜太郎は公園に立ち寄った。
ベンチに座って漫画本を読んでいるところで、黒部孝夫に呼び掛けられたのである。
黒部は自家製自転車に乗り、ちょっとした買い物に行った帰りであった。
公園の横を通り過ぎようとしたとき、学生服姿の竜太郎を偶然見かけたのだ。
黒部は自転車を降り、竜太郎に近づく。
一目で、竜太郎が漫画を読んでいるのだとわかった。
竜太郎が黒部に言う。
「この漫画、早く読みたくってさ」
黒部は微笑みながら竜太郎の横に座り、言葉を返した。
「そんなに早く読みたきゃもう少しで家なんだから、帰ってからゆっくり読めばいいのに」
「だってまた喧嘩してたらそれどころじゃなくなっちゃうだろ」
竜太郎は反論する。
「あ、なるほどな」
黒部は苦笑した。
やはり黒部は薄手のTシャツ一枚だ。
なのに額には汗をいっぱい浮かべている。
さっきまで全力でペダルを漕いでいたためだ。
そういえばタカさんが汗を掻いてないときって殆ど見たことないな、と竜太郎は思った。
「リュウちゃんはホントに漫画が好きなんだな」
「まあね」