yellow flower


隣を見ると、菜波が泣きそうな顔をしていた。

あたしは、菜波と用事がある、と簡潔に言って不思議そうな顔をしている菜波の腕を引っ張り角を曲がってみんなとわかれた。


「菜波、大丈夫?」

「…何が?大丈夫だよ」

無理して笑っている菜波を見て、何だか悲しくなった。

「…無理すんなよ」

その言葉を聞いて、堰を切ったように菜波の目から涙が溢れた。


「…っ…中浦が…あたしのこと、なんて…気にもしてないことくらいわかってたけど…っ」

「なんでかなぁっ…なんでこんなに…悲しいのかな…」

「…普段女子とは、話さないのに…玲とはたまに楽しそうに話してたから…何となく気づいてはいたのに…」

「どうしても、認めたくなかった…」

「すごく…っ好きなの…」


嗚咽混じりの菜波の言葉を、何も言わずにただ抱きしめて、受け止めた。


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