甘い唇は何を囁くか
ベッドの上に置かれると、遼子はコートを脱いで、じれったげに靴とそれから上着を脱ぎ捨てた。

間を空けずに、シスカがベッドに上がってくる。

それから、魅惑的な肉体美に魅せられて、ドキンドキンと胸が早鐘を打ち始めた。

シスカはまだ迷ってる。

でも私はもう覚悟が決まった。

だって、もうどうすることもできない。

きっと、シスカも分かってくれる。

誘うように、着ていたワンピースを脱いだ。

こんなに美しい裸体の人の前で見せられるほど立派な体じゃないけど、恥ずかしくも私はこれで下着一枚の姿になったというわけだ。

お気に入りの白い生地にフリルがついていて、薔薇の刺繍が施された下着。上下セットで1万5000円もした勝負下着。

まさか、こんなところでお目見えすることになるとは、本当に思いもしていなかった。

胸はそんなに小さいほうではないのよ。

でも、どうだろう。

外国人の女の人みたいにあっちこっちでっぱてない日本人体系な自分が憎い。

多少、隙がある人相手ならこんなにいろいろ自虐的にならずにすむんだろうな。

そんな葛藤の中に私がいるとは思ってもいないみたい。

目の前のダーリンは、もう戦闘モードのスイッチが入ってるみたい。

それは最高に嬉しい。

にじり寄るみたいに近付いてこられて、思わず身を引いた。

なんていうの…?

猛獣が、獲物に狙いを定めた時の目、そういう目をしている。
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