甘い唇は何を囁くか
「・・・欲しい。」

その言葉に胸が締め付けられる。

「わたし・・も。」

ようやくそう言葉にした。

すると、涙が溢れてきた。

愛しいひと。

本当に大好き。

あなたのためなら、人間を文字通り、やめちゃうことだって平気。

シスカも分かってるんだろう。

今の私が考えている事。

シスカもきっと、同じなんだ。

ドクンドクン

脈打っているのは、私の身体だけじゃないよね。

固くなったシスカを見つめて、遼子は囁いた。

「私も、したい。」

それだけで、シスカは私の上から降りて、それから涙ぐんで見つめた。

「泣かないでよ。」

少し笑って言うと、シスカは困ったように眉を寄せた。

抱きしめたくなるじゃない。

困った人。

けど、愛しい人。

シスカの身体を確かめるように、手を沿わす。

体温がない身体だなんて到底思えない。

自分と同じように、熱くなっている。

それが、自分のせいなら、嬉しい。

これまで、一度だってしたことないことだって、シスカにならできる。

シスカだから、したいの。

上手にはできないかもしれないけど―。

愛しいって想いが伝われば―、それで良い。
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