甘い唇は何を囁くか
甘い声を上げて震えるシスカを見つめて、遼子は自分自身も満たされていくのを感じていた。

シスカでも、こんな声を上げて感じるんだ―。

それを知れた事が、こんなにも嬉しい。

遼子は微笑んで囁いた。

「・・・気持ちよかった?」

シスカは先ほど、自分が言った台詞と同じ言葉であることに気付いてくっと喉を鳴らして笑った。

それから、私たちは抱きしめあった。

もう二度と、この身体をこの手をこの腕の中を離れない。

離さないと誓い合うように。

「・・・シスカ・・・。」

「・・・うん?」

「もう、分かってるんでしょ?」

シスカの腕の中でそう言うと、シスカは何も答えなかった。

分かってるんだ。

だよね。

「本当なら…このままシちゃいたい。」

くすっと思わず自虐的に微笑する。

シスカはそれを消したいと願うように遼子を固く抱きしめた。

「絶対に・・・戻ってくるから。」

「・・・。」

「今度は、シスカと一緒だよ?シスカと同じヴァンパイアになって戻ってくるの。」

涙が溢れてくる。

何も言わないシスカも、その腕の力だけで、言わんとしていることが分かる。

「っ、何とか・・・言ってよ。」

涙で喉が詰まる。
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