甘い唇は何を囁くか
儀式、とは上手いこと言ったもんだね、俺も。

遼子も受け入れる気持ちが僅かでもできたみたいだし。

さてと

俺だって、こんなことに時間を費やすのは面倒だ。

こいつとのことが終われば

ようやく不老じゃなくなる。

人間みたいに年をとることができる。

・・・

「宗眞は・・・」

立ち上がって窓辺に近付いた俺の後方で遼子が言う。

「何?」

冷たい口調で問い返した。

びくって身をすくめる。

「何だよ、言えば。」

そう言いながら遼子の隣にどかっと腰掛けた。

あきらかに警戒してる顔しやがって。

今すぐどうにかしてやろうかって気になるだろ。

灰皿にかけたままにしてた火のついた煙草を咥えなおして遼子の台詞を待つ。

「宗眞の好きな人はどうしたの・・・?」

おお・・・っとぉ。

ぎくりと思ってもいなかった問いかけに身体が固くなった。

まさか、それを聞かれるとは思ってもいなかったな。

煙草を灰皿に押し付けて、それから遼子を見返した。

「何で・・・そんなことが気になる?」

< 155 / 280 >

この作品をシェア

pagetop