甘い唇は何を囁くか
シスカは、宗眞の言葉に、はらわたが煮えくり返る。

だが、今此処で・・・遼子の目の前でこの男を殺しては、更に遼子の心を・・・その記憶を遠ざけることになるかもしれない。

そう思うと、身動きがとれなくなる。

屈辱だ。。。

こんな若い男に、コケにされるようなこと、あってはならないのに。。。

シスカは、拳を握り締めて舌打った。

そして、遼子をちらりと見遣る。

怯えているのか、困っているのか

震えているのは、自分を求めているからではない

それが、分かるから、なお更・・・どうしようもなく苦しい。

「・・・っ。」

このまま、どう言われようと何と罵られようと関係ない。

お前を押し倒して、その身体を粉々になるまで抱いてしまおうか―。

凶暴なまでの性欲。

ふぅと小さくため息をついて遼子に背を向けた。


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