甘い唇は何を囁くか
銀の髪の彼は、悲痛な顔で私を見ている。

その瞳の奥には、燃え盛るような情熱があるように見えた。

信じられないけど、見られているだけで身体が熱くなるのを感じる。

ズキン

頭の奥が痛んで、こめかみを押さえた。

何だろう

何か

何かがひっかかった・・・?

彼は、小さくため息をつくと私に背を向けた。

歩き出すと、赤い目の彼の肩をぐっと掴んだ。

一緒に連れて行こうとしているみたい。

「・・・。」

どうしよう

何か―、けど何も言葉が出て来ない。

この人たちは危険。

だって、私には何の関係もないはず。

なのに、此処で・・・こんな時間に何でいるのかも分からないのに―。
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