甘い唇は何を囁くか
なるほどね。

宗眞は微笑して酒を飲んだ。

「じゃあ、先に遼子の記憶を戻した方が、遼子を自分のものにできるってことだ。」

「お前にその権利はない。」

「あんたにそれを決めることはできねぇな。」

「…」

シスカはため息をついて言った。

「…もう、お前に用はない。」

酷い男だね。

宗眞は笑ってグラスを置いた。

「死にたくないなら、どこか違う場所で爺さんになるんだな。」

「そうは言っても、まだ時間はあるわけだしなぁ。」

シスカは紅い目を見やり言った。

「…しつこいぞ。」

ゾクゾクっと、した。

俺は意外にも、このおっさんが嫌いじゃない。

丸見えの殺意にも、慣れてきたせいかな。
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