甘い唇は何を囁くか
これこそが、ヴァンパイアの魔力。。

「どうする?遼子もこうやって男を喰うようになるんだぜ?」

シスカは目を閉じて、歯を食いしばった。

分かっている。

そんなことは。

遼子は自分と同じヴァンパイアになった。

自分が女の血を啜るように、女の遼子は男の血を啜る。

身体を交え、香りを高めて、うまい男のエナジーを・・・。

「同種の血なんて喰ったことねぇけど、・・・あんたそのつもりだろ?」

そこまで言い当てられて、シスカはちっと舌打ちした。

「やかましい。」

そう言い、女の腕を掴み立ち上がる。

「ついて来い。」

一言、女に命令する。

女はぼうっと目を遠退かせて、はいと頷いて答えた。

「遼子に自分の血を飲ませようだなんて驚きの考え方だけどな。」

宗眞は自分の餌の腰に手を回して、シスカの後をついていく。

「俺なら、ちゃんとした喰い方、を教えてやるのにさ。」

「必要ない。」

カラン

店を出ると軽いベルの音が鳴った。

「どうやったら香りが良くなるとか、どうなったら味が濃くなるとかさぁ。」

「すみません!」

店の中から、出て来た男が二人、シスカと宗眞を呼び止めた。

ふたりは冷たい視線を向けて振り返った。

「何だ?」
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