甘い唇は何を囁くか
「あんたたち、やめといた方が良いぜ。」

「何を意味分かんねぇことを・・・。」

男は、そう舌打って手を振り上げた。

宗眞は、その拳を手のひらで受けて、にんまりと微笑した。

「分からないかなぁ、何だって他の店でもこういうことしてるおっさんが、誰にも捕まらずにお食事を繰り返してると思う?」

ぎゅっと手を掴むと、男はイタイイタイと悲鳴をあげた。

「おい、放せっ!」

そう言って、もう一人の男が飛び掛ってきた。

それを軽く足で祓い、踏みつけてあっという間にのす。

「相当こてんぱんに殴〈ボコ〉られてるからだって、分かんねぇ?俺よりも、絶対容赦ないぜ?」

間違いなくね。

そう言って男の拳から手を離した。

男たちはひいと呻いて一歩退く。

「失礼だな。俺はそんなに野蛮じゃない。」

「へぇ?」

「紳士的に説明するだけだ。女が望んでいることだということをな。」

「紳士的、くっく。」

シスカは宗眞にくるりと背を向けて、再び歩き始めた。

宗眞もすぐに後を追う。

「人間の男は、礼儀がなってない。」

そう呟いて、シスカも宗眞と同じように女の腰を抱き寄せた。
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