甘い唇は何を囁くか
「・・・嘘だろ・・・。」

年は14・5歳だろうか。

その少女の目は、自分と同じ深紅の瞳で、誰かを探しているのかきょろきょろと顔を動かす。

整った顔立ちは明らかに・・・遼子に似ていた。

いやいやいや。

だって、ヴァンパイア同士だろ?

生殖能力がない者同士で、どうやって子供なんかできるって言うんだ。

そんなこと―あるわけがない。

あるわけが・・・。

「ママ!」

少女が言って、目をきらめかせた。

宗眞は自分の後方に、その視線が向けられているのを感じて

振り返った。
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