甘い唇は何を囁くか
また言ってる。

大体、あの人は良いところ、いってて35・6歳くらいのもののはず。

比べて宗眞は確かに若いけれど・・・。

「宗眞は何歳なのよ。」

「俺?」

そう言ってるでしょうよ、と思いながら答えを待つ。

宗眞はにんまり笑って答えた。

「270歳くらいかな。」

・・・

「ああ、はいはい。27歳?私より5歳も下じゃない。」

つまんないジョーク。

遼子は肩を上げて言い、歩き出した。

やっぱり、ないわ。

どう言っても、自分より年上の方が良いし遊び慣れている男の子なんて火遊びさせられちゃたまらない。

「年の差なんて、俺は気にならないけど?」

「私は気にするの。」

「年の差より、大事なのは相性だろ?」

それはそう。

確かにそのとおり。

相性・・・かぁ・・・。

朝テレビでやってる血液型占いにでさえも一喜一憂してしまう自分の姿を思い出して、また萎える。

宗眞は遼子に駆け寄ると顔を覗き込んで言った。

「俺たち結構性格上は相性良いと思うぜ?」

そうかしら・・・?

宗眞の自由奔放さに振り回されてるんじゃないかとも思えるけど。

「それ以外の相性も調べてみようぜぇ。」

あんたはオヤジか。

思わず頭の中でツッコミを入れて、遼子はしらけた目で宗眞を見遣った。
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