甘い唇は何を囁くか
私をどうしたいの?

お前が欲しい、お前を愛している。。

甘い台詞が聞きたいわけじゃない、と言えば嘘になる。

目の前のこの人の心が、まったくよめなくて、どうしたらいいのか…どうして欲しいのかわからない。

わからなくて、もどかしくて、たまらず返事をされる前に言葉を続けた。

「私のこと、好きなの…?」

こんな綺麗な人に言う台詞じゃない。

ましてや、自惚れるな…なんていわれた後じゃ、それもきっと疑わしい。

けど、まるで、虚勢を張っているようにも思える。

遼子は不安と緊張に押し潰される気持ちで、男を見上げた。
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