甘い唇は何を囁くか
遼子は、微笑みを噛み締めながら言った。

「あなたの気持ちを、教えてください。」

思わず敬語になってるな、と思ったけど、もうそんなことどうだっていい。

そうかー、外人と結婚する未来なんて想像もしてなかったな…、なんて考えてしまう。

彼は、ゆっくりと遼子に向かい手を伸ばした。

びくり

と、身体が緊張に震えた。

あのキスを、思い出して身体が熱くなるのが分かる。

彼は、唇を開くと囁くように言った。

「俺はー。。。」

そして、その先の言葉を飲み込んだまま、その強張った顔を近づけてきた。

なんて、綺麗な白い肌、長いまつ毛、形の良い鼻ー。

唇が触れると、啄ばむようにキスを落とし、それからじっと見つめ合って、また、唇を塞いだ。

薄く唇を開くと、そこから彼の柔らかい舌が入りこんできて、口の中を優しく愛撫しはじめた。

はじめて、彼が唇を奪ったあの情熱的で官能的な口付けとは、また違う…唇から、彼の「好き」が、溢れてくる、そんなキス。。

「…ん、あ…。」

いつの間にか抱きしめられて、右左に顔を向けられながら、激しくキスが続けらると、たまらず遼子は吐息を漏らした。

息継ぎさえも、ままならない。

けど、唇が離れない。

「ん…ふ……」

涙が浮かんで、遼子は彼にしっかりと腕を巻き付かせた。

好き、好きよー私も、好き…!

今ならもう、このまま、抱かれてもーー。
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